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材料科学:圧電セラミックスの縦ひずみ増強と曲げ変形
Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08292-1
圧電材料は、電気的エネルギーと機械的エネルギーを直接変換するものである。こうした材料は、ナノ位置決めや超音波イメージングなどの用途でトランスデューサーとして使用されている。これらのデバイスの特性を向上させるには、電場印加時に大きな縦ひずみを伝達できる圧電材料が必要である。強誘電体材料の特定の組成の適切に配向した単結晶では一般に、1%を超える大きな縦ひずみが予想されている。一方、多結晶圧電セラミックスは通常、約0.2~0.4%の縦ひずみを示す。今回我々は、多結晶圧電セラミックスの厚さを、結晶粒の大部分が三軸–二軸交差領域になる程度まで薄くすると、ドメインスイッチング分率が大幅に増加することを実証する。古典的なPbZrxTixO3のように、圧電セラミックスのプラスおよびマイナスの面が電場に対称に応答する場合には、モルフォトロピック相境界組成の0.2 mmの円板で約1%の縦ひずみが実現できる(厚さ0.7 mmから300%増加)。我々は、圧電セラミックス中の酸素空孔が、プラスおよびマイナスの面で非対称なスイッチングを生じ、それによって薄い圧電セラミックスの曲げが生じることを示す。今回の知見によって、さまざまな圧電材料系にわたってこうした機構のさらなる工学的応用が促され、電気機械アクチュエーションに向けた新たな応用が開拓されると期待される。

