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微生物学:腸の微生物相の株の豊富さは種特異的で生着に影響を及ぼす

Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08242-x

腸の微生物相の機能において細菌株の多様性が重要な役割を担っているにもかかわらず、ヒトの腸に安定に生着できる種当たりの固有株の数は、ほぼ全ての種についていまだ分かっていない。今回我々は、塩基配列解読された数千の細菌分離株とそれと対になるメタゲノムを用いて、ありふれた腸内細菌種について株の豊富さ(SR)を調べた。その結果、SRは、種によって異なること、糞便微生物相移植によって伝達可能であること、土壌や湖の環境と比べて腸では特異的に低いことが分かった。種当たりで生理的には想定されないほど多様な数の株を治療のために能動的に投与すると、レシピエントのSRが上昇するが、その後投与を中止すると、SRは集団平均に戻った。生着の結果をSRの高低によって層別化すると、SRは糞便移植における微生物の追加あるいは置換を予測することが分かった。総合的にこれらの結果から、腸の生態系の特性が腸に生着する各細菌種の株の数を支配し、それによって糞便微生物相移植や特定の生きたバイオ医薬品における細菌株の追加や置換に影響を与えることが示された。

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