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神経科学:非線形受容野が引き起こす自然風景の冗長な網膜符号化

Nature 637, 8045 doi: 10.1038/s41586-024-08212-3

初期の視覚における脊椎動物網膜の役割は、一般的に効率的符号化仮説で記述される。この仮説は、網膜は刺激の情報を保存しつつ時空間的相関を捨象することで自然風景に含まれる冗長性を低減している、と予測する。しかし、自然な視覚入力の動態の多くを占める注視移動の下で、網膜の出力ニューロンである神経節細胞の活動に、予測されるような脱相関や冗長性の低減が見られるかどうかは明らかでない。今回我々は、マーモセットおよびマウスの網膜において、自然刺激下の種特異的な注視パターンが、異なるタイプの神経節細胞内や神経節細胞間で、相関した発火応答を駆動し得ることを示す。こうした協調的応答は、局所的に高い空間コントラストによって信号固定期間への冗長性低減を妨げている。自然刺激に対する神経節細胞の応答のモデルに基づく解析からは、観測される応答の相関が神経節細胞の入力の非線形的な貯留から起こることが示された。今回の結果は、自然な注視移動の網膜処理では、細胞タイプ特異的な効率的符号化からの逸脱が存在することを示している。

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