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神経科学:ショウジョウバエの全脳アノテーションおよび複数コネクトームによる細胞タイプ分類

Nature 634, 8032 doi: 10.1038/s41586-024-07686-5

ショウジョウバエの一種であるキイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は神経科学において主要なモデル生物としてよく使われるようになってきたが、これは主に、キイロショウジョウバエに、共同で作製された利用可能な分子資源、遺伝的資源、デジタル資源が集中しているためである。今回我々は、約14万個のニューロンからなるFlyWire全脳コネクトームを、ニューロンのクラス、細胞タイプ、発達単位(半系統〔hemilineage〕)の系統的および階層的なアノテーションで補完する。アノテーションされた8453の細胞タイプのうち、3643は部分的な半脳コネクトームで以前提案されていたもので、4581が新しい細胞タイプであり、そのほとんどは以前の半脳コネクトームの領域外に由来する。FlyWireでは、半脳ニューロンのほぼ全てを形態学的にマッチさせることができたが、半脳で提案された細胞タイプの約3分の1は信頼性を持って再特定することができなかった。従って我々は、細胞タイプを新たに、おのおのの細胞が、同一の脳における他のどの細胞よりも、異なる脳の細胞により定量的に類似している細胞集団と定義することを提案し、この定義をFlyWireと半脳のコネクトームのジョイント解析によって検証した。さらなる解析から、脳間の接続の信頼性に関する単純なヒューリスティックが定められ、ニューロン数と接続性における広範なステレオタイプと時折のばらつきが明らかになるとともに、興奮/抑制の比を維持しつつ興奮性入力の絶対量を調整することによってキノコ体の機能的恒常性が保たれている証拠が示された。我々の研究は、ハエ脳のコンセンサス細胞タイプアトラスを明らかにし、脳規模の比較コネクトミクスのための知的枠組みとオープンソースのツールチェーンの両方を提供している。

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