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認知神経科学:霊長類の嗅内野におけるメンタルナビゲーション
Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07557-z
認知地図とは、以前の経験を使って新しい計算を可能にする適切に構造化された表現であり、よく知っている空間内で新しい経路を計画することなどがその例である。哺乳類の研究で、空間領域と非空間領域の両方で、外来性感覚入力が存在する場合にそのような表現があることを示す直接的な証拠が見つかっている。本論文で我々は、認知地図は外部入力なしで内発性計算を支援するという、元来の認知地図理論の基本的な前提条件について検証した。我々は、メンタルナビゲーション課題を遂行中のサルの嗅内野で記録を行った。この課題では、サルにジョイスティックを使わせて、中間ランドマークを見ることなく、対になった視覚的ランドマーク間の進路を決めさせた。サルがこの課題を実行し、新しい対に一般化できたことから、サルはランドマークの構造化された表現を当てにしていることが示された。課題に調節されるニューロンは、ランドマークの時間的構造と一致した周期性と傾斜を示し、連続アトラクターネットワークのシグネチャーが見られた。ヘッブ則様の学習機構で強化された経路統合の連続アトラクターネットワークモデルによって、この系がランドマークを内発的に想起する方法の説明が得られた。このモデルはまた、内発的なランドマークは、経路統合を一時的に遅くしたり、動態をリセットしたりすることでばらつきを減らすという意外な予測も示した。この予測は、発火率のばらつきと行動の再分析によって裏付けられた。我々の知見は、嗅内野の構造化された活動パターンと、メンタルナビゲーション中の認知地図の内発的誘導を結び付けるものである。

