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神経科学:オピオイド報酬に必要な腹側被蓋野のミエリン可塑性

Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07525-7

全ての乱用薬物は、シナプス伝達と神経回路機能の長期的変化を誘発し、これらが物質使用障害の基盤となっている。神経回路可塑性で最近注目されているもう1つの機構は、活動で調節されるミエリンの変化を介したもので、このような変化は回路機能を調整して認知行動に影響を及ぼし得る。今回我々は、ドーパミン作動性回路と報酬学習におけるミエリン可塑性の役割を検討した。その結果、ドーパミン作動性神経活動で調節されるミエリン可塑性が、ドーパミン作動性回路機能とオピオイド報酬の重要な修飾因子であることが示された。オリゴデンドログリア系譜の細胞は、ドーパミン作動性ニューロンの光遺伝学的刺激、GABA作動性ニューロンの光遺伝学的抑制、あるいはモルヒネ投与によって引き起こされるドーパミン作動性神経活動に応答する。こうしたオリゴデンドログリアの変化は、腹側被蓋野内で選択的にはっきりと見られるが、内側前脳束の軸索投射や投射先の側坐核内部では見られなかった。オリゴデンドロサイト生成を遺伝的に阻害すると、側坐核でのドーパミン放出の動態が低下し、モルヒネへの行動条件付けが弱まる。まとめると今回の知見は、オリゴデンドロサイト生成の報酬学習における重要な役割を浮き彫りにするとともに、ドーパミン作動性神経活動で調節されるミエリン可塑性が、オピオイド報酬に必要とされる重要な回路修飾要因であることを明らかにしている。

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