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微生物学:ファゴソームタンパク質のプロファイリングによりPD-L1が菌類結合受容体であることが明らかになった
Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07499-6
ファゴサイトーシスは、骨髄性の食細胞が有害となりかねない微生物に結合して内部に取り込む過程である。ファゴサイトーシスの際には、自然免疫受容体と関連するシグナル伝達タンパク質が成熟中のファゴソーム区画に局在し、微生物を感知する特性を多数備えた免疫情報処理ハブを形成する。今回我々は、ファゴソーム内容物の近接性を表す標識(PhagoPL)を開発して、モデルの酵母と細菌を含むファゴソームに局在するタンパク質を明らかにした。進化的また生化学的に異なる微生物を含むファゴソームのタンパク質組成を比較することにより、酵母を含んだファゴソーム中に特異的に豊富に含まれているタンパク質が、意外にもPD-L1(programmed death-ligand 1)であることが明らかになった。PD-L1は、ファゴソームでの分解処理に際して酵母に直接結合することが分かった。表面ディスプレイ・ライブラリー・スクリーニングによって、リボソームタンパク質Rpl20bがPD-L1の菌類タンパク質リガンドであることが突き止められた。さらに、オーキシンが誘発するタンパク質高速分解システムを使って、マクロファージによるRpl20bの検出が、他の自然免疫受容体の活性化によって誘導されるインターロイキン10(IL-10)など、別のサイトカイン群の産生を交差調節することが分かった。PD-L1が菌類に結合する受容体であることが明らかになったように、PhagoPLは宿主と微生物の相互作用の際にファゴソームに濃縮されるタンパク質群の定量に役立つ方法であることが、この研究によって確立された。

