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ナノスケール材料:液体セルTEMにおける帯電した固–液界面の原子ダイナミクス
Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07479-w
帯電した固–液界面(ESLI)は、エネルギー、生物学、地球化学に関係するさまざまな電気化学的過程において、重要な役割を果たしている。帯電界面における電子輸送や質量輸送は、反応経路に顕著な影響を及ぼす構造変化を生じる可能性がある。例えば、反応中の電極触媒表面の再構成は、触媒反応機構や反応生成物に大きな影響を及ぼし得る。電気的バイアス下で固–液界面の原子ダイナミクスを直接探ることは重要だが、液体電解質への埋没という性質と、液体を通したin situ画像化の現在の手法の空間分解能の限界ゆえに、そうした探索は困難である。今回我々は、透過型電子顕微鏡法(TEM)用の高性能ポリマー電気化学液体セルを開発することによって、銅(Cu)に触媒されるCO2電解還元反応(CO2ER)中のESLIの原子ダイナミクスを直接モニタリングできたことを報告する。観察結果からは、変動する液体のようなアモルファス(非晶質)界面相が明らかになった。この界面相は、結晶とアモルファスの間で可逆的に構造変換し、帯電したCu表面に沿って流れるため、界面相層を通して、結晶Cu表面の再構造化と質量損失が媒介される。実時間観察と理論計算を組み合わせることによって、電荷によって活性化される電解質との表面反応の結果から生じる、アモルファス化によって媒介される再構造化機構が明らかになった。今回の結果は、in situ画像化能力を利用することによって、ESLIが関与する広範な系における原子ダイナミクスとその影響を探る多くの可能性を開く。

