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構造生物学:カイニン酸受容体チャネルの開口とゲート開閉機構

Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07475-0

イオンチャネル型グルタミン酸受容体のサブクラスを構成しているカイニン酸受容体は、リガンド開閉型の四量体イオンチャネルで、興奮性神経伝達を仲介する。カイニン酸受容体は、中枢神経系が発達して機能する際に神経回路やシナプス可塑性の調節を行い、てんかんやうつ、統合失調症、不安神経症や自閉症などのさまざまな神経疾患と精神疾患に関わっている。カイニン酸受容体のドメインの構造やサブユニットの集合状態は解明されているが、カイニン酸受容体のゲート開閉機構はまだ不明なままである。今回我々は、カイニン酸受容体GluK2について、アゴニストのグルタミン酸、正のアロステリックモジュレーターであるレクチンのコンカナバリンA、およびBPAM344の存在下でのクライオ電子顕微鏡構造を示す。コンカナバリンAとBPAM344は、カイニン酸受容体の脱感作を阻害し、アミノ末端とリガンド結合ドメインの間のスペーサーとして、またリガンド結合ドメイン二量体の界面の安定化物質としてそれぞれ機能することで、活性状態を延長している。チャネル開口には、孔を形成している4つのM3ヘリックス全てのねじれが関わっている。我々の得た構造から、カイニン酸受容体のゲート開閉の分子基盤が明らかになり、これは神経疾患の治療薬開発を導くだろう。

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