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考古学:旧石器時代の炉床の年代間隔

Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07467-0

旧石器時代のヒトの活動の期間を明らかにすることは、先史考古学的における屈指の難題である。狩猟採集民の住居群の居住期間および度数は、社会生活や、ヒトと環境の相互作用の重要な側面を反映する。しかし、旧石器時代の文脈における時間の特徴は、年代測定技術の限界、堆積層への撹乱要因の影響、パリンプセスト効果のため、一般に再構成が不正確である。本論文で我々は、スペイン・エルサルトのユニットX(El Salt Unit X)の中期旧石器時代の6つの炉床に関して、考古地磁気学的および考古層序学的な分析で得られた高分解能の年代差について報告する。一連の炉床は少なくとも約200~240年の期間(99%の確率)にわたって存在しており、各炉床の間には10~100年単位の年代間隔があった。今回の結果は、調べた層序シーケンスに含まれるヒトの居住事象に関して、時間的枠組みの定量的な推定値をもたらしている。これは、旧石器考古学における前向きな一歩である。この学問分野では、地質学的過程に典型的な期間からヒトの行動を探ることが一般的だが、大きな変化はヒトの世代というそれよりも短い期間で起こり得る。今回我々は、ヒトの寿命に近い時間スケールに到達した。

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