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がん免疫療法:造血を維持しながら血液がんを選択的に根絶する

Nature 630, 8017 doi: 10.1038/s41586-024-07456-3

造血幹細胞(HSC)移植(HSCT)は、広範な血液悪性腫瘍に対する唯一の治癒的治療法であるが、標準治療は標的化していない化学療法に依存しており、HSCT後、移植された健康な細胞に影響を及ぼさずに悪性細胞を治療する可能性は限定的である。抗原特異的な細胞除去療法は、病変細胞をかなり標的化して除去すると期待でき、過去10年間にB細胞悪性腫瘍の臨床診療を変革したことで実証されている。しかし、標的の選択は複雑で、造血系細胞のサブセットで発現する抗原に限定されるため、治療の全体像が断片化されて、開発コストが高くなる。今回我々は、全造血系細胞マーカーCD45を標的とする抗体–薬物複合体(ADC)により、HSCを含む、造血系全体の抗原特異的除去が可能になることを実証する。このADCと、CD45を標的とするADCから保護されるように改変したヒトHSCの移植を組み合わせると、造血を維持しながら白血病細胞を選択的に根絶できるようになる。CD45を標的とするADCと改変HSCを組み合わせることで、疾患の病因や起源細胞のタイプに関係なく、罹患した造血系を置き換えるほぼ普遍的な戦略が構築される。我々は、この手法が血液悪性腫瘍以外にも広く意味を持つ可能性があると提案する。

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