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量子光学:決定論的に生成された光子グラフ状態の融合
Nature 629, 8012 doi: 10.1038/s41586-024-07357-5
エンタングルメントは、量子物理学の不可解な概念から量子技術の重要な要素へと発展してきた。エンタングルメントは、古典物理学と矛盾する測定結果間の相関を説明し、個々のキュービットの小さな集団を用いて広く研究されている。多体エンタングル状態は、ゲートに基づく量子コンピューティングプロトコルにおいて構築され、より広い観点からは、測定に基づく量子情報処理の主要なリソースとして提案された。後者では、グラフによって記述される多キュービットのエンタングル状態の事前生成が必要である。ベル状態や線形クラスター状態などの小さなグラフ状態は光子を用いて生成されているが、提案されている量子コンピューティングや量子ネットワーキングへの応用には、そうした状態をプログラム可能な方法でより大きくより強力な状態に融合する必要がある。今回我々は、個別に扱える原子が2つ入った光共振器を用いることによって、この目標を達成した。最大8個のキュービットからなるリンググラフ状態とツリーグラフ状態(名前はそれぞれエンタングルメントのトポロジーを反映している)が、個々の原子から放出された光子状態から効率的に融合された。融合過程自体には、2つの原子間の共振器支援ゲートが用いられている。今回の技術は、原理的にはさらに多数のキュービットに拡張可能であり、これは例えば、将来の量子インターネットにおけるメモリーレス量子リピーターへの、決定的な一歩である。

