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工学:崩壊隔離による建築物における破壊伝播の停止
Nature 629, 8012 doi: 10.1038/s41586-024-07268-5
建築物の壊滅的な崩壊の一部は、局所的な初期破壊の伝播によって起こる。現行の設計方法では、建築物の構成要素間の結合性を高めることによって、初期破壊後の崩壊を完全に防ぐことが試みられている。こうした方策によって、破壊された構成要素によって支えられていた荷重が残りの構造系に確実に再分配されるようになる。しかし、結合性の増大は、建築物の構成要素の崩壊によって、そうした設計でなければ影響を受けないと思われる部分が破壊される一因になり得る。このリスクは、最も壊滅的な崩壊においてありがちなように、大規模な初期破壊が起こる場合に特に重要である。今回我々は、大規模な初期破壊後の崩壊伝播を止める独自の設計手法を提示する。この手法は、崩壊が始まると、全体的な安定性に最も重要な構成要素が破壊される前に、特定の要素が確実に破壊されるようにする。従ってこの構造系は、この設計でなければ崩壊の伝播が避けられないと思われる場合に、異なる部分に分離して崩壊を隔離する。今回の手法の有効性は、意図的に建てられたフルスケールの建築物に関する独自の実験的検証を通して立証された。我々はまた、現在のガイドラインで推奨されているように結合性を増大させれば、大規模な初期破壊が試験した建築物の完全崩壊につながることも実証した。今回提案した手法によって、よりレジリエントな建築物を目指して「最後の防衛線」を組み込むことが可能になる。

