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生体力学:機械学習で明らかになった、昆虫の翅の蝶番の制御機構

Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07293-4

昆虫類は後生動物において最も種数が多い放散であり、その成功は能動的飛翔の進化に起因する。翼竜類や鳥類、コウモリ類とは異なり、昆虫類の翅は肢から進化したものではなく、生体力学的に複雑な蝶番を介して体に接続した新規の構造で、この蝶番が、特化したパワー筋(power muscle)の微小な高周波振動を翅の大きな往復運動に変換している。昆虫の翅の蝶番は、節片(sclerite)と呼ばれる微小な硬化構造系からなり、これらの節片は互いに柔軟な関節によって連結され、特化した操縦筋(control muscle)の活動によって調節されている。今回我々は、ショウジョウバエで、遺伝子にコードされたカルシウムインジケーターを用いてこれらの筋肉の活動を画像化すると同時に、高速度カメラで翅の三次元的な運動を追跡した。我々は、機械学習を用いることで、この舵取り筋(steering muscle、操縦筋と同意)の活動から翅の運動を正確に予測する畳み込みニューラルネットワークと、個々の節片が翅の運動に果たす役割を予測するエンコーダー・デコーダーを構築した。我々はまた、ハエの動力学的相似ロボットで翅の運動パターンを再現することにより、舵取り筋の活動が空気力学的な力に及ぼす影響を定量化した。我々の蝶番モデルを組み込んだ物理学的シミュレーションでは、自由飛翔するハエに極めてよく似た飛翔動作が生成された。今回の統合的で学際的な手法によって、自然界のおそらく最も複雑で進化的に最も重要な骨格構造の1つと考えられる、昆虫の翅の蝶番に関する機械的制御論理が明らかになった。

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