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生態学:生物多様性の変化の状況の不確実性を明らかにする
Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07236-z
生物多様性は、地球規模の急速な変化によって前例のない脅威に直面している。生物多様性の変化のシグナルは、数千種の生物の個体数の大きな地理的スケールおよび時間的スケールにわたる時系列データセットから得られる。これらの生物多様性データセットの解析からは個体数のさまざまな傾向が指摘されており、それには増加も減少も含まれる。しかし、こうした解析では、データの空間的構造、時間的構造、系統発生学的構造を十分には説明できていなかった。今回我々は、新たな統計的枠組みを用いることで、ひとたび空間的構造、時間的構造、系統発生学的構造を考慮すると、知名度の高い10の生物多様性データセットにおいて既存の手法で見いだされた増減が消滅することを示す。これは、既存の手法が、傾向の不確実性を極度に過小評価し、場合によっては傾向の方向を見誤っていることに起因する。不確実性を適切に認識する我々の平均個体数の傾向の見直しでは、今回の10のデータセットにおいて95%の信頼区間で増加や減少の傾向を認めるものは1つも存在しなかった。この結果は、生物多様性の変化に関しては、広大な空間的スケールおよび分類学的スケールでは、生物多様性の変化がほとんど知られていないことを明示している。大きなスケールでのこの不確実性にもかかわらず、局所スケールの予測の正確さは、空間的構造、時間的構造、系統発生学的構造の考慮により改善されることが示された。改善された予測は、政策の対象となるスケールで生物多様性の変化を推定し、適応的な保全の取り組みを導くことへの希望をもたらす。

