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植物遺伝学:サトウキビの複雑な倍数体ゲノムの構造

Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07231-4

サトウキビは、世界で最も収穫量の多い作物であり、世界の歴史・貿易・地政学を形作ってきた過去を持つとともに、現在では世界の砂糖生産の80%を占めている。従来のサトウキビ育種法によって、新しい環境や病原体に適応した栽培品種が効果的に生み出されてきた一方で、砂糖収量の向上は最近頭打ちになっている。この収量増加の停止は、育種集団内における遺伝的多様性の限界、長い育種周期、ゲノムの複雑性に起因する可能性があり、ゲノムの複雑性に関しては、他の多くの作物に恩恵をもたらしてきた全ゲノム塩基配列解読の最近の急増を、育種家が利用する障害になっている。そのため、現在のサトウキビ雑種は、参照品質のゲノムがない、最後に残された主要作物となっている。今回我々は、サトウキビの栽培種(Saccharum officinarum)と野生種(Saccharum spontaneum)の種間交雑から生じた代表的な現代の栽培品種であるR570について、倍数体参照ゲノムを作成することにより、サトウキビの生物工学の進歩に向けて大きな一歩を踏み出した。R570の既存の単一ハプロタイプ(一倍体)の表現とは対照的に、我々の87億塩基のアセンブリには、この倍数体ゲノムの約12染色体コピーにわたり固有のDNA塩基配列の完全な表現が含まれている。我々は、この高度に連続したゲノムアセンブリを用いて、R570の物理的な遺伝地図内のこれまでサイズが決められていなかった欠落部を埋め、単一コピーのBru1褐さび病抵抗性座位の根底にあると考えられる原因遺伝子を明らかにした。ゲノム構造と生物工学のための分子標的を詳細に明らかにした今回の倍数体ゲノムアセンブリは、サトウキビの分子育種やトランスジェニック育種、そして将来の環境条件への適応の加速に役立つだろう。

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