Article
超高速材料科学:トポロジカルな光場を用いたバルクMoS2におけるバレートロニクス
Nature 628, 8009 doi: 10.1038/s41586-024-07156-y
物質中の電子のバレー自由度は、エネルギー効率の高い情報ストレージへの有望な道筋であり、量子情報処理の可能性が期待されている。バレー分極を利用する際の現在の課題は、単原子層構造や特定の材料工学を必要とする対称性条件、エネルギー散逸を避けるための非共鳴光制御、光速でバレー分極を切り替える能力である。今回我々は、バレーにおいてベリー曲率がない中心対称材料であるバルクMoS2を用いて、バレー分極の全光非共鳴制御を実証する。今回の普遍的な方法では、スピン角運動量整形されたトレフォイル光制御パルスを利用してこの材料の電子トポロジーを切り替え、単純な位相回転を通して時間反転対称性と空間反転対称性を過渡的に破ることによりバレー分極を誘起する。我々は、トレフォイル位相回転に依存して、非共線的光プローブパルスの第二高調波の過渡的生成を通してバレー分極が生じることを確認した。今回の研究は、バレー自由度の直接的な光制御が単原子層構造に限定されないことを示している。実際、そうした制御は、任意の層数の系やバルク材料でも可能である。非共鳴バレー制御は普遍的であり、光速で、量子コヒーレント時間スケールで動作する、効率的なマルチマテリアル・バレートロニクス・デバイスを設計する可能性を開く。

