Article
物性物理学:超高速バーネット効果による磁化のフォノニックスイッチング
Nature 628, 8008 doi: 10.1038/s41586-024-07200-x
歴史的に重要なバーネット効果によって、本来は正味の磁気モーメントがゼロである慣性体が、機械的に回転すると自発磁化を得る機構が記述される。最近、画期的な実験によって、超高速アインシュタイン–ドハース効果の一部として、スピン集団の角運動量が円偏波光学フォノンに受け渡されることによって、超短レーザーパルスが、秩序化した強磁性体の磁化を数百フェムト秒以内に破壊することが示された。しかし、そうした高周波格子振動を用いて近傍の磁気媒体における磁化を相反的にスイッチングする可能性は、まだ実験的に調べられていない。今回我々は、常磁性基板における円偏波光学フォノンの共鳴励起を通して、超高速バーネット効果によって一時的に得られた自発磁化を用いて、前述の基板上に設置したヘテロ構造の磁性状態を永続的に反転できることを示す。超高速バーネット効果は、フォノンの掌性によって磁気スイッチングの方向が誘導されるため、磁気秩序を超高速で非局所的に制御する選択的かつ潜在的に普遍的な方法をもたらす。

