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材料科学:負の混合エンタルピーの固溶体による高い強度と延性

Nature 625, 7996 doi: 10.1038/s41586-023-06894-9

いくつかの高融点金属元素から構成され、降伏強度が1 GPaより大きいことを特徴とする、体心立方系で高融点の多主要元素合金(MPEA)は、構造への積極的な応用の要求を満たすことが期待される材料である。しかしこうした合金は、室温で引張延性が低いかゼロであるため、加工性や大規模な応用が制限されている。今回我々は、優れた引張延性(約20%)と極めて高い降伏強度(約1390 MPa)を示すHfNbTiVAl10合金を提示する。注目すべきことに、これらの値は、他の関連合金と比較して、相乗効果が最高レベルである。そうした優れた相乗効果は、HfNbTiV合金へのアルミニウムの添加によるもので、この結果、負の混合エンタルピーの固溶体が得られて、強度が向上し、階層的化学変動(HCF:hierarchical chemical fluctuation)の形成が有利になる。HCFは、サブマイクロメートルスケールから原子スケールまで多くの長さスケールに及び、転位運動の効果的な障壁として働く高密度の拡散境界を生成する。結果として、さまざまな転位配置が逐次的に促されることで、2つの異常なひずみ硬化率の上昇を生じさせる大きな相互作用が促されると同時に、合金が塑性変形に適応できるようになる。従って、塑性不安定性が大きく遅延し、非常に大きな引張延性として塑性領域が拡大する。今回の研究は、MPEAにおける超高強度と大きな引張延性の相乗的組み合わせの実現に関する貴重な知見をもたらしている。

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