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神経科学:グリンパ液排出の強化による外傷後脳浮腫の縮小

Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06737-7

脳浮腫は、外傷性脳損傷(TBI)後の罹患率および死亡率と関連付けられている。TBI後はノルアドレナリンのレベルが上昇しており、その上昇の幅から脳損傷の程度と死亡の可能性の両方を予測できる。グリンパ系(glymphatic)の機能障害は脳損傷の特徴の1つであり一因でもあるが、損傷に伴うノルアドレナリン急増との関係は明らかではない。本論文で我々は、急性の外傷後脳浮腫が、ノルアドレナリンの全身的な過剰放出への応答として起こる、グリンパ液とリンパ液の流量低下の結果であることを報告する。こうしたTBI後のアドレナリンストームは頸部リンパ管の収縮力低下と関連付けられ、これは、全身循環に戻るグリンパ液とリンパ液の量の低下と符合する。これに応じて、TBIのマウスモデルで全アドレナリン受容体を抑制したところ、中心静脈圧が正常化してグリンパ流と頸部リンパ流が部分的に回復し、その結果、脳浮腫は顕著に縮小して機能転帰も改善した。さらに、外傷後にアドレナリンシグナル伝達を阻害すると、外傷性病変からの細胞の残骸のリンパ排出が強化され、二次性の炎症とリン酸化タウの蓄積が著しく低減した。これらの観測結果は、中枢グリンパ液流のノルアドレナリン性制御の標的化が、急性TBIの治療法をもたらす可能性を示唆している。

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