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ウイルス学:CD4に結合したHIV-1 Envヘテロ三量体の中間段階コンホメーション

Nature 623, 7989 doi: 10.1038/s41586-023-06639-8

ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)のエンベロープ(Env)は、宿主受容体(CD4)への結合に応答して異なる複数のコンホメーション変化を示す。Envはgp120とgp41ヘテロ二量体からなる三量体で、gp120群が密接に関連していてgp120 V3上の共受容体結合部位がV1V2ループによって隠された、閉じた融合前のコンホメーションと、gp120群が外側に回転してV1V2ループが転置されるといった変化を伴う、CD4と結合して完全に飽和した開いたEnvコンホメーションについて構造が明らかにされている。今回我々は、準化学量論的なCD4結合による変化を調べるために、CD4分子1つあるいは2つに結合した可溶性天然様ヘテロ三量体Envの単粒子クライオ電子顕微鏡(クライオEM)構造を解いた。CD4分子1つに結合したEnv三量体のほとんどは、膜融合前の閉じたEnv状態をとっていたが、少数は不均一な部分的に開いたEnvコンホメーションを示した。CD4分子2つに結合したときには、CD4に結合したgp120は、4つのストランドからなるgp120架橋シートと、V3の共受容体部位が露出した転置したgp120のV1V2ループを含む、開いたEnvコンホメーションを示した。3つ目のgp120は中間段階の閉–開状態をとり、gp120は外側へ回転しているが、膜融合前の3つのストランドからなるgp120架橋シートが維持され、V1V2の転置やV3の露出は部分的でしかなかった。我々は、CD4分子1つとの結合のほとんどが、CD4の誘導するコンホメーション変化を促すには不十分であるのに対し、CD4分子2つとの結合では、CD4と結合したプロトマーのみでEnvが開いた状態になると結論する。準化学量論的にCD4と結合した可溶性Envヘテロ三量体構造は、ビリオンに結合したEnvと膜アンカー型CD4の複合体の、クライオ電子線トモグラフィー研究から得られた対応する構造に類似しており、これらの生理的意義が確認された。まとめるとこれらの結果は、HIV-1 Envの中間段階のコンホメーションを明らかにしており、その構造的可塑性を例示している。

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