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化学:フラーレンの数層共有結合ネットワーク

Nature 613, 7942 doi: 10.1038/s41586-022-05401-w

2つの天然炭素同素体であるダイヤモンドとグラファイトは、それぞれsp3混成原子とsp2混成原子の拡張ネットワークである。さまざまな混成や形状の炭素を混合することによって、概念的には無数の合成同素体を構築できる可能性がある。今回我々は、分子炭素材料と拡張炭素材料の溝を埋めるグラフラーレン(graphullerene)という二次元結晶性C60高分子を提示する。その構成要素であるフラーレンサブユニットは、共有結合で相互接続された分子シートにおいて六角形状に配列している。我々は、機械的に剥離して清浄な界面を持つ分子レベルの薄さの薄片を生成できるほど十分な大きさの電荷中性な純炭素系巨視的結晶を報告する。そうした剥離の条件は、ヘテロ構造やオプトエレクトロニクスデバイスを作製するための極めて重要な要件である。合成では、化学気相輸送によって層状高分子(Mg4 C60)の単結晶を成長させた後、希酸によってマグネシウムを除去した。我々は、この材料の熱伝導率を調べ、分子状C60よりもはるかに高いことを見いだしている。これは、面内共有結合の影響である。さらに、透過型電子顕微鏡法と近接場ナノフォトルミネッセンス分光法を用いた数層グラフラーレン薄片の撮像によって、モアレ様超格子の存在が明らかになっている。より広く見ると、今回の分子前駆体の重合による拡張炭素構造の合成は、オプトエレクトロニクス特性を調整できる二次元ヘテロ構造の構築を目的とした系統的材料設計への明確な道筋を示している。

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