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天文学:特異な起源を持つ長時間ガンマ線バースト

Nature 612, 7939 doi: 10.1038/s41586-022-05403-8

長時間ガンマ線バースト(GRB)は大質量星の重力崩壊と関連しており、一方、短時間ガンマ線バーストはコンパクト連星の合体と関連していると一般的に考えられている。しかし、例外的なGRBの存在を示唆する観測結果がますます増えており、GRBを物理的に分類するには、バーストの継続時間だけではなくいくつかの基準(即時放射、超新星/キロノバとの関連、ホスト銀河の性質)が必要となっている。以前報告された長時間バーストGRB 060614は、より遠方で観測されたとすれば拡張放射を伴った短いGRBと見なすことができ、これはキロノバのような特徴と関連していた。その結果、これはI型(コンパクト星合体)GRBカテゴリーに属し、おそらく連星中性子星(NS)の合体が起源であると考えられる。本論文では、GRB 211211Aという特異な長時間バーストについて報告する。このGRBは、即時放射の特性が多くの点で既知のいずれのI型GRBとも異なっているが、マルチバンド観測では大質量星起源ではないことが示唆されている。特に、可視と近赤外の両方の波長において著しい超過放射が発見されており、これは、一部のI型GRBで観測されているようなキロノバ放射に似ている。これらの観測結果は、GRBの新しいタイプの前駆天体を示すものである。合体後にマグネターエンジンを伴う、白色矮星(WD)とNSの合体というシナリオが、即発ガンマ線、初期X線残光、そしてエンジンに駆動されるキロノバ発光など、全ての観測結果に対して自己矛盾しない解釈を与える。

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