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天文学:350 Mpcに位置する長時間ガンマ線バースト後のキロノバ

Nature 612, 7939 doi: 10.1038/s41586-022-05390-w

ガンマ線バースト(GRB)は、大質量星の重力崩壊に由来する長時間GRBと、2つのコンパクト天体の合体で形成される短時間GRBに分類される。この2つの集団は、ガンマ線の継続時間が2秒より長いか短いかで分けるのが一般的だが、継続時間に基づく分類が必ずしも前駆天体を対応付けるとは限らない。特に、短時間(≲2 s)のスパイク状の即時ガンマ線放射の後、スペクトル的に軟らかく広がった放射(EE-SGRB)が長時間にわたって続くGRBは、コンパクト天体の合体から生じると示唆されている。コンパクト天体の合体は、いわゆるキロノバの形で観測された、速い中性子捕獲(r過程)の元素合成の唯一確認されている場所として、宇宙物理学的に非常に重要である。本論文では、近傍(350 Mpc)の1分程度継続するGRB 211211Aに関連したキロノバの可能性がある天体の発見について報告する。このキロノバは、前駆天体がコンパクト天体の合体であることを意味し、長時間継続する複雑な光度曲線を持つGRBが合体事象によって生まれる可能性があることを示唆している。GRB 211211Aのキロノバの光度、継続時間、色は、重力波(GW)が検出された連星中性子星(BNS)の合体であるGW170817に伴ったものとよく似ている。長時間GRBと一致したGW信号のさらなる探査は、将来のマルチメッセンジャー天文学にとって有望な方法である。

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