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量子情報:相互作用するマイクロ波光子のロバストな束縛状態の形成

Nature 612, 7939 doi: 10.1038/s41586-022-05348-y

相関粒子の系は、現代科学の多くの分野に現れ、自然界における最も取り扱いの難しい計算問題のいくつかとなっている。こうした系における計算上の課題は、相互作用が他のエネルギースケールと同程度になって、各粒子の状態が他の全ての粒子に依存するようになった場合に生じる。三体問題の一般解や強相関電子に対する満足できる理論がないことは、粒子数や相互作用の強さが増すにつれて相関系に関する我々の理解が薄れていくことを示している。相互作用する系の特徴の1つが、多粒子束縛状態の形成である。今回我々は、パラメーター化できる高忠実度fSimゲートを開発し、スピン1/2 XXZモデルの周期的な量子回路を24個の超伝導キュービットのリングに実現した。そして、これらの励起の伝播を調べ、最大5個の光子についてその束縛性を観測した。我々はまた、束縛状態の少数多体スペクトル構築のための位相に敏感な方法を考案し、合成フラックスを導入することでそれらの擬似電荷を抽出した。さらに、リングと追加のキュービットの間に相互作用を導入することで、可積分性の破れに対する束縛状態の予想外の回復力を観測した。この知見は、非可積分系の束縛状態のエネルギーが連続スペクトルと重なる場合、そうした状態は不安定であるという考えに反するものである。我々の研究によって、相互作用する光子の束縛状態に関する実験的証拠が得られ、そうした状態が可積分限界を超えて安定であることが見いだされた。

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