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発生生物学:卵母細胞は複合体Iを抑制することによりROS産生を伴わないミトコンドリア代謝を維持する

Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04979-5

卵母細胞は出生前に形成され、受精に至るまで数十年間生存し続けている。女性の妊孕性の問題の大部分は卵母細胞の品質不良が原因だが、卵母細胞が細胞の適応度を維持する仕組みや、卵母細胞の品質が加齢に伴い最終的に低下する理由についてはほとんど分かっていない。ミトコンドリア活動の副産物として産生される活性酸素種(ROS)は、受精率や胚の生存率の低下と関連付けられている。しかし、健康な卵母細胞が、必須のミトコンドリア活動とROS産生のバランスをどのように取っているかは分かっていない。今回我々は、卵母細胞が複合体Iの除去を介したミトコンドリア電子伝達系のリモデリングによりROSを回避することを示す。ヒトおよびアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の卵母細胞において生細胞画像化法とプロテオミクスを組み合わせて用いたところ、初期卵母細胞では複合体Iのレベルが大きく低下していることが分かった。これは、ミトコンドリアの非常に活発な小胞体ストレス応答(UPR)を伴っていて、これは電子伝達系の不均衡を示している。生化学的および機能的な解析から、複合体Iは初期卵母細胞において組み立てられておらず、活性もないことが確認された。従って、我々は動物において複合体Iのない生理学的細胞タイプを報告する。我々の知見は、複合体I関連の遺伝性ミトコンドリア病の患者に妊孕能力の低下が見られない理由も明らかにしている。複合体I抑制は、長期間生存する卵母細胞において生物活性を維持しながら長寿を可能にする進化的に保存された戦略である。

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