Article

免疫学:ADAR1はZBP1による致死的なI型インターフェロン誘導を回避する

Nature 607, 7920 doi: 10.1038/s41586-022-04878-9

RNAデアミナーゼをコードするADAR1遺伝子の変異は、I型インターフェロン(IFN)応答の慢性活性化を伴うエカルディ・グティエール症候群や両側線条体壊死などの重篤な疾患の原因となる。ADAR1のIFN誘導性p150アイソフォームはZαドメインを持ち、このドメインはZ-RNAと呼ばれる通常とは異なる左巻き二重らせん構造を持つRNAを認識する。ADAR1のZαドメイン内のヘミ接合変異は、ヒトとマウスでI型IFNを介した病態を引き起こす。しかし、ADAR1とZ-RNAの相互作用がIFNの活性化を防いでいる仕組みについては分かっていない。今回我々は、哺乳類でADAR1以外にZαドメインを持つことが知られている唯一のタンパク質であるZ-DNA結合タンパク質1(ZBP1)が、ADAR1機能に障害のあるマウスにおいて、I型IFNの活性化と致命的病態を促進することを示す。ZBP1の欠損やそのZαドメインの変異は、IFN誘導遺伝子の発現を低下させ、変異型Zαドメインを持つADAR1をヘミ接合で発現するマウス(Adar1mZα/−)における出生後の早期致死をほとんど防いだ。Adar1mZα/−マウスでは、内因性レトロエレメントに由来する相補的RNAリード(ZBP1を活性化するZ-RNAの供給源と考えられる)の発現上昇と編集の異常が見られた。特に、ZBP1がAdar1mZα/−マウスにおいて、RIPK1、RIPK3、MLKLを介したネクロトーシスやカスパーゼ8依存的アポトーシスに依存しない様式でIFNの活性化と重篤な病態を促進することは重要であり、このことから新規の作用機序が示唆される。従って、ADAR1は、ZBP1による内因性Z-RNA依存的な病原性I型IFN応答の活性化を防いでおり、これは、ZBP1がADAR1変異によるI型インターフェロノパチーに関与している可能性を示唆するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度