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生理学:代謝における個体間変動のモデルとしてのC. elegans
Nature 607, 7919 doi: 10.1038/s41586-022-04951-3
個体間には代謝の差異が見られることがあり、この差異は、遺伝的背景、栄養の取り込み、微生物相、その他の環境要因の相互作用によって引き起こされる。ヒトでは食餌や生活習慣などに違いがあるため、代謝の差異をゲノム変動に結び付けて、原因となる分子機構を導き出すことは困難である。今回我々は、線虫の一種であるCaenorhabditis elegansをモデルとして用いて、代謝における個体間変動を研究した。3つの野生株と一般的に使用されるN2実験室株を比較したところ、既知の代謝物と、我々の知る限りこれまで報告されていない代謝物の両方の存在量に差異があることが分かった。後者の代謝物には、3-ヒドロキシプロピオン酸(3HP)といくつかのアミノ酸の間の抱合体(3HP-AA)が含まれ、これらは野生株の1つでの存在量がはるかに高かった。3HPは、プロピオン酸シャント経路の中間体であり、この経路はビタミンB12依存性のカノニカルなプロピオン酸分解経路を介するフラックスが撹乱されると活性化される。3HP-AA蓄積の増加は、3HPを基質とするHPHD-1の遺伝的変動によって引き起こされることが分かった。我々の結果は、3HP-AAの産生が、hphd-1の機能低下対立遺伝子に対応するための「シャント内シャント」経路であることを示唆している。この研究は、代謝の個体特異的な差異を捉え、種全体に見られる多様性をより厳密に表す代謝ネットワークモデルの開発に向けた一歩である。

