Article

量子物理学:フロケ系における対称性によって保護されたトポロジカル相のデジタル量子シミュレーション

Nature 607, 7919 doi: 10.1038/s41586-022-04854-3

平衡から大きく外れた量子多体系では、平衡熱力学によって禁じられている多様でエキゾチックな現象が見られる。その顕著な例が離散時間結晶のエキゾチックな現象で、この現象では、周期駆動系において時間並進対称性が自発的に破れる。先駆的な実験によって、捕捉イオン、固体スピン系、極低温原子、超伝導キュービットを用いて時間結晶相のシグネチャーが観測されている。今回我々は、他に見られない種類の物質の非平衡状態である、フロケ系における対称性によって保護されたトポロジカル相を観測したことを報告する。これは、プログラム可能な超伝導キュービットのアレイを用いたデジタル量子シミュレーションによって実現された。我々は、26個のキュービットで動作する240を超える深さの回路を用いて、エッジスピンのロバストで長寿命の時間相関と分数調波時間応答を、最高40回の駆動サイクルにわたって観測した。我々はまた、分数調波応答が初期状態に依存しないことを示し、フロケ系における対称性によって保護されたトポロジカル相と熱相の間の相境界を実験的にマッピングした。今回の結果は、現在の雑音の多い中規模量子プロセッサーを用いて物質のエキゾチックな非平衡相を探るための、多目的デジタルシミュレーションの手法を確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度