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気候変動:気候変動はウイルスの異種間伝播リスクを増加させる
Nature 607, 7919 doi: 10.1038/s41586-022-04788-w
少なくとも1万種のウイルスがヒトに感染する能力を持っているが、今のところその大部分は野生哺乳類の中で静かに流行している。しかし、気候変動や土地利用の変化は、これまで地理的に隔離されていた野生動物種の間でウイルスの共有が起こる機会をもたらす可能性がある。こうした共有は場合によって、世界的な環境変化と疾患の出現を結び付ける機構である人獣共通感染症の異種間伝播を促進することになる。今回我々は、哺乳類とウイルスのネットワークの系統地理学モデルを用いて、将来的にウイルスの共有が起こる可能性の高いホットスポットをシミュレートし、また気候変動と土地利用のシナリオに基づいて、3139種の哺乳類の分布域の推移について2070年の予測をシミュレートした。その結果、哺乳類種は、高地、生物多様性のホットスポット、アジアやアフリカの人口密度の高い地域に、新たな組み合わせで集まると予測され、それらに関連するウイルスの異種間伝播は4000回引き起こされると推定された。コウモリ類は、固有の分散能力のために、新たなウイルス共有の大部分の原因となり、またヒトでの将来的な出現を促進する進化経路に沿ってウイルスを共有する可能性が高い。注目すべきことに、この生態学的推移はすでに進行しており、21世紀の温暖化を2°C未満に抑えても、将来的なウイルスの共有は減少しないことが分かった。我々の結果は、種の分布域の推移を追跡する生物多様性調査と、ウイルスの監視と発見の取り組みを組み合わせて行うことが急務であり、これは特に、人獣共通感染症が最も多く、急速な温暖化が起こっている熱帯地域では重要であることを浮き彫りにしている。

