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腫瘍生物学:腎臓系譜因子PAX8は腎臓がんの発がん性シグナル伝達を制御する

Nature 606, 7916 doi: 10.1038/s41586-022-04809-8

大規模なヒトの遺伝的データから、がんの変異には強い組織選択性が見られることが示されているが、この選択性が生じる仕組みについては分かっていない。今回我々は、実験モデル、機能ゲノミクスおよび患者試料解析を用いて、系譜転写因子であるPAX8(paired box 8)が、ヒトの淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)を引き起こす2つのありふれた遺伝的変化[11q13.3の生殖細胞系列バリアントであるrs7948643とVHL(von Hippel-Lindau腫瘍抑制因子)の体細胞不活性化]による発がん性シグナル伝達に必要であることを実証する。VHLの喪失はccRCCの約90%で見られ、これは低酸素誘導因子2α(HIF2A)の安定化につながる場合がある。我々は、HIF2AがPAX8結合転写エンハンサー[PAX8とHIF2Aによって制御される腫瘍形成促進性サイクリンD1(CCND1)のエンハンサーなど]に選択的に誘導されることを示す。rs7948643のccRCC保護的な対立遺伝子Cは、このエンハンサーでのPAX8の結合と、下流のCCND1発現の活性化を阻害する。正常な腎上皮細胞の増殖を支えるPAX8依存的な生理学的プログラムの利用も、ccRCC転移に関連した8q21.3-q24.3のアンプリコンからのMYC発現に必要である。これらの結果は、転写系譜因子は発がん性シグナル伝達に不可欠であり、体細胞性および遺伝性の遺伝子バリアントと関連した組織特異的ながんリスクを仲介することを実証している。

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