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神経科学:視索前野のニューロン集団が病気において発熱や食欲を制御する

Nature 606, 7916 doi: 10.1038/s41586-022-04793-z

動物は感染に際し、生存を高める目的で、生理や行動において適応的変化を示す。感染の原因は多様だが、それらはいずれも、発熱、暑熱探索、食欲喪失、疲労といった、よく似た定型的症状を引き起こす。しかし、神経系がどのように体温を変化させ、病気行動を誘発して感染に対する応答を調整しているかは、まだ分かっていない。今回我々は、視床下部の腹内側視索前野(VMPO)に存在する未同定のニューロン集団が、病気に際して、リポ多糖(LPS)またはポリイノシン酸:ポリシチジル酸により誘発されて活性化することを明らかにする。これらのニューロンは、発熱応答の他、暑熱探索や食欲喪失などの病気症状を生じるのに極めて重要であることが分かった。単一核RNA塩基配列解読とMERFISH(multiplexed error-robust fluorescence in situ hybridization)によって、LPSで活性化されるVMSO(VMSOLPS)ニューロンおよび非神経細胞のアイデンティティーと分布が明らかになった。また、遺伝子発現と電気生理学的測定からは、感染時に非神経細胞から免疫シグナルが放出され、これが近傍のVMSOLPSニューロンを活性化するという、パラクリン(傍分泌)機構が示唆された。さらに我々は、VMSOLPSニューロンが、行動や恒常性機能と関連付けられている複数の脳領域の活動に広く影響を及ぼし、体温や食欲を制御する回路のノードとシナプス的および機能的に接続していることを示す。まとめるとこれらの結果は、VMSOLPSニューロンが、感染への応答において、免疫シグナルを統合して複数の病気症状を調整する制御ハブであることを明らかにしている。

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