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量子光学:希土類分子結晶における超狭光学線幅

Nature 603, 7900 doi: 10.1038/s41586-021-04316-2

希土類イオン(REI)は、光–物質インターフェースを量子レベルで構築するのに有望な固体系である。これは、REIが狭い光学線幅や均一なスピン線幅、すなわち、長寿命の量子状態を示す可能性があるためである。これによって、光用のメモリー、光–マイクロ波変換、コンピューティングなどのフォトニック量子技術にREIを使用できるようになる。しかし、REIの特性を十分に利用できるほど静穏な環境を示す結晶性材料は、これまでほとんどなかった。そのため、さらなる進展、特にREIを含む集積ナノフォトニクスデバイスの実現に向けた進展が妨げられている。分子系では、そうした可能性が得られるが、一般にスピン状態がない。だが、分子系にスピン状態があれば、広い光学線幅を示し、光とスピンのコヒーレントなインターフェーシングが厳しく制限される。今回我々は、他の分子系より数桁狭い、数十キロヘルツの範囲の線幅を示すユウロピウム分子結晶について報告する。我々は、この性質を利用して、効率的な光学的スピン初期化、原子周波数コムを用いた光のコヒーレント記憶、量子ゲートを実現するためのイオン–イオン相互作用の光学的制御を実証した。これらの結果は、希土類分子結晶が、高度にコヒーレントなエミッターと、組成、構造、集積化能力における分子材料の比類のない汎用性を組み合わせる、フォトニック量子技術の新しいプラットフォームとして有用であることを例証している。

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