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細胞生物学:哺乳類細胞のミトコンドリアへのグルタチオンの運搬にはSLC25A39が必要である

Nature 599, 7883 doi: 10.1038/s41586-021-04025-w

グルタチオン(GSH)は、あらゆる真核生物に豊富に見られる小型のチオール分子で、酸化的代謝に重要な役割を果たしている。ミトコンドリアは酸化反応が起こる主な部位であり、保護機能や生合成機能を果たすために、十分なレベルのGSHを維持する必要がある。GSHは細胞質ゾル内でのみ合成されるが、GSHのミトコンドリアへの運搬に関わる分子装置はまだ解明されていない。今回我々は、細胞小器官のプロテオミクス手法とメタボロミクス手法を用いて、ミトコンドリア膜にある機能未知の輸送体SLC25A39が、GSHのミトコンドリア輸送の調節因子であることを明らかにする。SLC25A39が失われると、細胞のGSHレベルには影響がないが、ミトコンドリアへのGSH運搬が減少してミトコンドリアのGSH量が低下した。SLC25A39とそのパラログSLC25A40の両方を欠失した細胞では、鉄–硫黄クラスターを含むタンパク質の活性と安定性に異常が生じた。また、ミトコンドリアへのGSHの運搬が、in vitroでの細胞増殖やマウスの赤血球発生に不可欠であることが分かった。改変した二機能性の細菌GSH生合成酵素(GshF)をミトコンドリアで異種発現させると、ミトコンドリアでのGSH産生が可能になり、GSHの枯渇により生じた代謝異常や増殖異常が回復した。さらに、GSHの利用可能性がSLC25A39タンパク質の存在量を負に調節しており、これによって哺乳類細胞での酸化還元恒常性とミトコンドリアへのGSHの運搬が共役された。これらの知見から、SLC25A39がミトコンドリアへのGSH運搬装置に不可欠な調節構成成分であることが明らかになった。

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