Article
気候科学:シミュレートされた温室気候における反復する激しい降水
Nature 599, 7883 doi: 10.1038/s41586-021-03919-z
地球の遠い過去には著しく温暖な「温室」気候状態が存在し、将来そうなる可能性もあるが、そうした状態で大気がどのように振る舞うかについてはほとんど分かっていない。温室気候の際立った特徴の1つは、水蒸気の赤外窓領域が閉じるために、対流圏下層では放射冷却ではなく放射加熱が見られることである。これまでの研究では、この特徴によって気温の逆転と雲量の大きな変化が生じることが示唆されていたが、温室レジームのこれまでのモデル化では、対流スケールの大気の乱流運動や雲量が直接解像されておらず、そのため温室の放射加熱に関する多くの疑問が未解決なまま残されている。今回我々は、対流を明示的に解像するシミュレーションを行い、温室気候における対流圏下層の放射加熱によって、水循環が準定常レジームから、数日間の乾期を挟んで短く激しい降水が起こる「緩和振動」レジームへと移行することを見いだした。この振動レジームへの遷移には、局所的な降水フラックスの大きな増大、雲量の大幅な増加、一時的に正(不安定)の気候フィードバックパラメーターが伴う。今回の結果は、温室気候が新しい形の「一時的な」対流の自己組織化を特徴とする可能性があることを示しており、これは雲量と浸食過程の両方に関係してくる。

