Review

人類学:現生人類系統の起源

Nature 590, 7845 doi: 10.1038/s41586-021-03244-5

現生人類系統の起源に関する見解は、古人類学的記録およびゲノム記録における数々の新発見によって変化してきた。本総説では、世界の現生人類系統をどのように遠い過去までたどれるのか、そしてそうした時間をさかのぼる旅路において現生人類系統がどの祖先を経るのかについての、現時点での理解を概説する。我々は、主要な疑問に包まれた、将来の研究の最前線になると予想される3つの重要な段階を特定した。最も年代の新しい段階は、6万~4万年前の現生人類の世界的拡大と、ネアンデルタール人やデニソワ人などの旧人類集団と現生人類の既知最後の接触からなる。第二の段階は、大まかに解釈されている30万~6万年前のアフリカにおける現生人類の多様性の起源と関連する。最も古い段階は、100万~30万年前の現生人類の祖先の旧人類集団からの複雑な分離からなる。我々は、現生人類系統が1つの限られた誕生の地に限定される特定の時点というものは現在のところ1つも特定できないこと、そして、ホモ・サピエンス(Homo sapiens)を定義するのに用いられる解剖学的または行動的な形質の最初の出現パターンがさまざまな進化史と一致することを論じる。

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