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歴史気候学:ヨーロッパの現在の洪水多発期は過去500年と比べて並外れている

Nature 583, 7817 doi: 10.1038/s41586-020-2478-3

最近の気候変動によって、河川洪水の頻度と規模が前例のない形で変わりつつあると懸念されている。歴史研究では、ヨーロッパのさまざまな地域で過去500年間に起きた複数の洪水多発期が特定されている。しかし、既存のデータセットの時間分解能が低く、洪水系列の数が比較的少ないため、長期的な観点からヨーロッパが現在洪水多発期にあるのかどうかはまだ明らかになっていない。今回我々は、ヨーロッパの主要な地域を全てカバーする文書証拠に基づく、高分解能(1年未満)の100以上の歴史的洪水系列からなる新しいデータベースを用いて、ヨーロッパの最近の数十年間の洪水の発生状況が洪水の歴史と比べてどうなのか分析した。その結果、この30年間がヨーロッパにおいて過去500年間で最も洪水の多かった時期であり、この期間が、その範囲、気温、洪水の季節性の点で他の洪水多発期とは異なっていることが明らかになった。我々は、9つの洪水多発期とそれらに関連する地域を特定した。最も洪水の多かった期間は、1560~1580年(西ヨーロッパと中央ヨーロッパ)、1760~1800年(ヨーロッパの大半)、1840~1870年(西ヨーロッパと南ヨーロッパ)、1990~2016年(西ヨーロッパと中央ヨーロッパ)であった。ヨーロッパの大半の地域では、以前の洪水多発期は通常より気温の低い時期に生じていたが、現在の洪水多発期は気温がはるかに高い。洪水の季節性もまた、最近の洪水多発期でより顕著だった。例えば、中央ヨーロッパの洪水は、以前の洪水多発期ではその41%が、洪水が少なかった期間ではその42%が夏季に起こっていたのに対し、最近の洪水多発期では洪水の55%が夏季に起こっていた。現在の洪水多発期の例外的な性質は、関連する物理機構を捉えることのできるプロセスベースの洪水リスク評価ツールと、リスクの最近の変化を組み込むことのできる管理戦略を必要としている。

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