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神経科学:生理学的血液脳関門輸送はトランスサイトーシスの移行により加齢に伴って障害される

Nature 583, 7816 doi: 10.1038/s41586-020-2453-z

脳と血管との界面は血液脳関門(BBB)として知られ、BBBはその経細胞透過性の低さを一因として脳機能を維持していると考えられている。しかし、脳の加齢が循環血中タンパク質に感受性を持つことが、最近の研究で示されている。従って、BBB研究では標準とされる外来性トレーサーの注入において、各トレーサーの透過性が脳血管輸送を完全に代表しているのかは不明である。今回我々は、マウスの血漿プロテオームを構成する数百のタンパク質を標識してそれらを全身投与し、その生理学的リガンドによりBBBを調べた。その結果、血漿タンパク質は、BBB特異的転写プログラムにより維持される輸送によって健康な脳実質に容易に浸透することが分かった。加齢脳では、IgG抗体とは異なり血漿タンパク質の取り込みが減少し、これは加齢に関連してリガンド特異的な受容体を介したトランスサイトーシスから、非特異的なカベオラトランスサイトーシスへ移行することにより引き起こされる。この加齢に関連した移行は、周皮細胞被覆の特異的な喪失とともに起こる。加齢によって発現が上昇するホスファターゼALPL(輸送の負の調節因子と考えられる)を薬理学的に阻害すると、治療に関連したトランスフェリンやトランスフェリン受容体抗体、そして血漿の脳への取り込みが高まった。以上の知見は、健康な脳への生理学的なタンパク質のトランスサイトーシスの程度や、加齢に伴う広範なBBB機能障害の機構、薬剤送達を高めるための戦略を示している。

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