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分子生物学:ヌクレオソームに結合したSOX2とSOX11の構造によって解明されたパイオニア転写因子の機能
Nature 580, 7805 doi: 10.1038/s41586-020-2195-y
「パイオニア」転写因子は、幹細胞の多能性や細胞の分化、再プログラム化に必要とされる。パイオニア因子はヌクレオソームDNAに結合して、閉じたクロマチン構造を持つゲノム領域からの遺伝子発現を可能にする。SOX2は重要なパイオニア因子で、胚性幹細胞の多能性や自己複製に不可欠である。今回我々は、SOX2とその近縁ホモログであるSOX11のDNA結合ドメインのヌクレオソームに結合した状態のクライオ電子顕微鏡構造を報告する。これらの構造から、SOX因子群がSHL 2(super helical location 2)でDNAに結合し、DNAを局所的に変形させることが明らかになった。SOX因子群は、ヒストン八量体からのヌクレオソームDNA末端の解離も促進し、これによってDNAへの接近可能性が高まる。SOX因子のヌクレオソームへの結合はまた、ヒストンH4のリシン16残基を含むN末端尾部の配置換えを引き起こすことがある。我々は、この配置換えはヌクレオソームのより高次のスタッキング(H4尾部と隣接するヌクレオソームとの接触が関与する)とは両立しないと推測する。今回の結果は、パイオニア転写因子群は結合エネルギーを使ってクロマチン構造の開放を開始でき、それによってヌクレオソームのリモデリングとそれに続く転写が促進されることを示している。

