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分析化学:生物系の電場分解(field-resolved)赤外分光法

Nature 577, 7788 doi: 10.1038/s41586-019-1850-7

生体系の適切な機能と生理学的表現型は、分子組成に依存する。しかし、多種多様な分子を同時に定量的に検出することは依然として難しい。今回我々は、複雑な分子集団の「指紋」を自然環境で検出する機会が、広帯域光コヒーレンスによってどのように開かれるかを示す。振動励起分子は数サイクルの赤外レーザー励起後にコヒーレント電場を放出し、この電場は試料の分子組成に特有のものである。我々は、電気光学サンプリング法を利用して、この大域的分子指紋を励起電場よりも107倍弱い電場強度まで直接測定した。この方法によって、0.1 mmのオーダーの厚さの無傷の生体系の透過照明が可能になるため、ヒト細胞や植物の葉を広帯域赤外分光プローブできるようになる。ヒト血清の概念実証分析において、アト秒のタイミング精度でサンプリングを行うとともに赤外電場指紋を励起電場から時間的に分離したところ、血清1 ml当たり1 μg未満の検出感度と、105を超える分子濃度の検出可能ダイナミックレンジが得られた。今回の手法によって、実世界の複雑な生物学的環境や医学的環境のプローブにおける分子感度の向上と対象分子範囲の拡大が期待される。

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