気候科学:全球の河氷の過去と未来
Nature 577, 7788 doi: 10.1038/s41586-019-1848-1
地球の陸地の3分の1以上が、冬季に凍結する河川へ排水している。河川回廊の水文学的機能、生態学的機能、気候に関する機能、社会経済学的機能は、氷によって変化する。世界の多くの地域で河氷面積が縮小していることが示されているが、河氷の面積と存続期間の季節性、過去の変化、予測される将来の変化は、まだ全球的に定量化されていない。面積と存続期間の縮小の原因が温暖化であることを示唆した、河氷に関するこれまでの研究は、わずかな場所のデータに基づいていた。さらに、将来の氷の面積の予測は、0°C等温線の位置にのみ基づいている。今回我々は、衛星観測データを用いて、全球の河氷面積が縮小していることを示し、全球の平均地表気温が1°C上昇すると、冬季の氷の平均存続期間が6.10 ± 0.08日短くなると予測している。我々は、1984~2018年に撮影された40万枚を超す晴天時のランドサット衛星画像を用いて河氷面積を追跡し、それが過去30年間で全球的に平均2.5%縮小していることを見いだした。我々は、将来の河氷面積の変化を予測するために、気温と季節に基づいた、観測によって較正・検証されたモデルを開発した。このモデルでは、0°C等温線による方法と比べて、平均バイアスが87%減少した。このモデルを2080~2100年の将来の気候予測に適用したところ、河氷の平均存続期間は2009~2029年と比べて、代表的濃度経路(RCP)8.5のシナリオの下では16.7日短くなり、RCP4.5のシナリオの下では平均して7.3日短くなった。今回の結果は、河氷は全球的にかなり減少しており、今世紀末に向かって予測されている地表気温の上昇とともに線形的に減少し続けることを示している。

