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量子物理学:量子センサーを使った27個の核スピンからなるクラスターの原子スケールの画像化

Nature 576, 7787 doi: 10.1038/s41586-019-1834-7

核磁気共鳴(NMR)は、分子やタンパク質の構造を決定する強力な方法の1つである。従来型のNMRでは大きなアンサンブルの平均値を求める必要があるが、最近の単一スピン量子センサーの進歩によって、個々の分子を磁気画像化する可能性が生まれている。この目標への最初の一歩として、孤立した核スピンやスピン対がマッピングされてきた。しかし、分子に見られるような相互作用するスピンの大きなクラスターから生じるスペクトルは、非常に複雑になる。こうした複雑な系の画像化は、高いスペクトル分解能とサブオングストローム精度の効率の良い空間再構成が必要なため、困難である。今回我々は、単一の窒素空孔中心を量子センサーとして使って、そうした原子スケールの画像化を実現し、ダイヤモンド中の27個の結合した13C核スピンのモデル系で実証した。我々は、高いスペクトル分解能(80 mHz未満)と高い精度(2 mHz)で個々の核–核スピン相互作用を分離する、多次元分光法を報告する。さらに我々は、こうした相互作用によってクラスターの組成と相互の結合が符号化されることを示し、サブオングストローム分解能でクラスターの三次元構造を求める方法を開発した。今回の結果は、個々の分子などの複雑なスピン系の磁気画像化への重要な能力を実証するものである。

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