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発生生物学:マウス原腸形成の単一細胞レベル解像度でのマルチオミクスプロファイリング

Nature 576, 7787 doi: 10.1038/s41586-019-1825-8

原腸形成時に起こる主要な三胚葉の形成は、脊椎動物のボディープランの確立に必須の段階であり、これには転写の大きな変化が伴う。これらの変化は全体的なエピジェネティック再プログラム化を伴って起こるが、初期の細胞運命選択の調節にエピゲノムが果たす役割はまだ解明されておらず、異なる分子的階層間の協調についても分かっていない。今回我々は、マウス胚の原腸形成開始期のクロマチン接近可能性、DNAメチル化、RNA発現に関する単一細胞レベルのマルチオミクスマップを作製した。多能性消失の開始は、全体的に抑制されたエピジェネティック状態の確立と同時に起こり、その後、原腸形成の間に細胞系譜特異的なエピジェネティックパターンが出現する。注目すべきことに、中胚葉と内胚葉へ運命拘束された細胞のエンハンサー標識部位では、TET(ten-eleven translocation)による脱メチル化とそれに伴うクロマチン接近可能性の上昇により、協調されたエピジェネティックの再編成が広範に起こる。対照的に、外胚葉性細胞のメチル化と接近可能性の全体像は、初期の胚盤葉上層ですでに確立していた。このように、それぞれの胚葉に関連した調節エレメントは、細胞運命決定の前にエピジェネティックにプライミングあるいは再構築され、これが主要な胚葉の階層的な出現のための分子的な枠組みとなっている。

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