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医学研究:REGNASE-1を標的化してがん治療に向けた長期生存エフェクターT細胞をプログラムする

Nature 576, 7787 doi: 10.1038/s41586-019-1821-z

養子免疫療法は、がん免疫療法における新たな枠組みとなっているが、移入されたT 細胞の持続性と機能が乏しいことで制約を受ける場合がある。今回我々は、プールされたCRISPR–Cas9変異誘発によるin vivoスクリーニング手法を用いて、REGNASE-1を標的化すると、CD8+ T細胞が長期生存するエフェクター細胞へと再プログラム化され、これらの細胞は、腫瘍に広範に蓄積して高い持続性とロバストなエフェクター機能を持つことを実証する。REGNASE-1欠損CD8+ T細胞は、黒色腫および白血病のマウスモデルで治療効果の顕著な改善を示した。ゲノム規模のCRISPR–Cas9二次スクリーニングを行い、BATFがREGNASE-1の主要な標的であり、抗腫瘍応答を形成する可変抵抗器であることを突き止めた。BATFを喪失させると、REGNASE-1欠損CD8+ T細胞の蓄積増加やミトコンドリア適応度の上昇が抑制された。対照的に、PTPN2やSOCS1などのシグナル伝達因子を追加で標的化すると、REGNASE-1欠損CD8+ T細胞の治療効果が向上した。我々の知見から、腫瘍免疫におけるT細胞の持続性とエフェクター機能の調節が可能であることが示唆され、がんの養子免疫療法の有効性を改善するための道筋が示された。

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