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ソフトマテリアル:再構成可能なネマチック液晶液滴を駆動する分子不均一性

Nature 576, 7787 doi: 10.1038/s41586-019-1809-8

物質の多分散性や分子不均一性には、ほぼ例外なく、自己集合や状態変換を妨げる傾向がある。例えば、平衡研究や非平衡研究において単分散成分の液滴の形状変換が報告されており、こうした転移現象は均一な物質応答に基づいて理解されている。これに対して、今回我々は、多分散ネマチック液晶オリゴマー(NLCO)からなる液滴の平衡懸濁液を調べた。その結果、意外なことに、多分散液滴における分子不均一性によって、特異な内部構造を持つ多種多様な非球状形態への可逆的形状転移が促進されることが分かった。我々は、オリゴマーの鎖長分布、温度、界面活性剤濃度を変化させることによって、NLCOの弾性エネルギーと界面エネルギーのバランスが変化し、表面が凸凹の球から「花」のような形状、さらには直径を制御できる枝分かれ繊維状ネットワークまで、さまざまなネマチック構造の形成が駆動されることを見いだした。閉じ込められた液晶配向場を持つ枝分かれ構造体を、少なくとも1 cm2の面積にわたって可逆的に生成でき、紫外線硬化によって液晶エラストマーに変換できる。観察とモデリングからは、こうした形態形成現象の駆動では、鎖長の多分散性が空間的分離を介して重要な役割を果たすことが明らかになった。この知見は、ソフトマテリアルにネットワーク構造と機能を符号化する新たな手段を示唆している。

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