Letter

量子物理学:相互作用するフロケポラリトン

Nature 571, 7766 doi: 10.1038/s41586-019-1354-5

通常、光子同士が相互作用することはない。しかし、原子を使って光子の相互作用を媒介できることから、光子から合成材料や量子情報システムを形成できる可能性が提起されてきた。有望な方法の1つは、高励起リュードベリ原子と、光共振器の増強された光–物質結合とを組み合わせて、光子を強く相互作用するポラリトンへ変換することである。しかし、適切な原子試料と縮退した共振器と結合させるという実験的試みは、共振器ポラリトンを、原子遷移と共鳴する単一の空間モードに拘束するため、光学光子でできた量子材料はまだ実現されていない。今回我々は、フロケ(Floquet) エンジニアリングという量子系の周期的な変調を使って、強く相互作用するポラリトンが光共振器の多数の空間モードを利用できるようにしたことを報告する。まず我々は、ルビジウムの励起状態を周期的に変調すると、そのスペクトル重みが分裂し、ルビジウム原子に特有の通常の線を超えて、変調周波数の倍数だけ離れた新しい線が複数生成されることを示す。次に、この能力を用いて、非縮退光共振器の特定の2つの空間モードと共鳴するスペクトル線を同時に生成し、これによって我々が「フロケポラリトン」と名付けたものが両方のモードに存在できるようになった。両方のスペクトル線はフロケエンジニアリングを行った同一の原子状態に対応するため、両方のモードをリュードベリ励起と結合させるには単一周波数場を加えるだけで十分である。我々は、生じたポラリトンが両方の共振器モードと同時に強く相互作用することを実証する。フロケポラリトンの生成によって、結晶やトポロジカル流体を含む強相関光子の秩序状態だけでなく、光子ごとの多重モードスイッチングなどの量子情報技術を実現する有望な新しい道が開かれる。

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