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がん免疫学:肺扁平上皮がん発生の初期では腫瘍浸潤よりも前に免疫回避が見られる

Nature 571, 7766 doi: 10.1038/s41586-019-1330-0

がん患者の転帰を改善するには、早期の検出と治療が非常に重要である。ほとんど解明されていない発がんの生物学的性質を理解するには、前がん病変における分子過程を明らかにし、がん発生の際の病変内の免疫応答の決定因子を明らかにする必要がある。腫瘍内の適応免疫応答は、がん腫の最初期段階で最も強いことが、以前に報告されている。今回我々は、腫瘍浸潤の前に免疫活性化と免疫回避が起こることを示し、肺における発がんの前浸潤性段階と関連する免疫バイオマーカーを明らかにする。我々は、遺伝子発現プロファイリングと多重スペクトル画像化法を用いて、肺扁平上皮細胞がん発生の9つの形態学的段階のデータセット(77人の患者から採取した、よく注釈付けされた122の生検を含む)を解析した。その結果、がんと免疫経路の進化的軌跡が次の4つの段階からなることが明らかになった。すなわち、(1)正常組織からがん組織への移行期における増殖とDNA修復の直線的な増加、(2)低グレードの前浸潤性病変における、常在免疫細胞の活性化を介した代謝と初期免疫感知の一時的な増加、(3)高グレードの前浸潤性病変以降における、免疫応答の活性化と、免疫チェックポイントと抑制性インターロイキンを介した免疫回避、そして最終的な、(4)がんの浸潤段階における上皮間葉転換の活性化、である。我々は、肺での発がんには、前浸潤性の気管支細胞と免疫応答の動的な共進化が関与していると提案する。これらの知見は、早期検出のための免疫バイオマーカーや、肺がんの発生リスクが高い人々に対する免疫療法ベースの化学的予防手法を開発する必要性をはっきりと示している。

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