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構造生物学:ヒトATP-クエン酸-リアーゼの強力な阻害を引き起こすアロステリック機構

Nature 568, 7753 doi: 10.1038/s41586-019-1094-6

ATP-クエン酸-リアーゼ(ACLY)は主要な代謝酵素の1つで、クエン酸と補酵素A(CoA)のオキサロ酢酸とアセチルCoAへのATPに依存する変換を触媒する。産物であるアセチルCoAは、脂肪酸代謝、コレステロール生合成、タンパク質のアセチル化やプレニル化に重要である。ACLYは抗がん剤の標的としてかなりの関心を集めているが、それは多くのがん細胞の増殖がACLYの活性に依存しているからである。ACLYはまた、脂質異常症や肝臓脂肪症での標的でもあり、現在1種類の化合物が第3相臨床試験中である。ACLYの阻害物質は多数報告されているが、そのほとんどは活性が弱い。今回我々は、低ナノモル範囲で機能してヒトACLYを阻害する一連の小分子阻害物質の開発について報告する。我々はまた、完全長ヒトACLYホモ四量体について、これらの阻害剤の1つ(NDI-091143)と複合体を形成した状態の構造をクライオ(極低温)電子顕微鏡法により決定し、それによって予想外の阻害機構を明らかにした。NDI-091143は、クエン酸結合部位に隣接したほぼ疎水性のアロステリックキャビティに位置している。これには酵素の広範囲にわたるコンホメーション変化が必要となり、これが間接的にクエン酸の結合を妨害する。観察された結合様式は、これらの化合物の構造活性相関により裏付けられ、説明される。このアロステリック部位は、ACLYの「ドラッガビリティー」を大きく高め、新規ACLY阻害剤の開発に絶好の標的となる。

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