Letter
光物理学:共鳴電気光学周波数コム
Nature 568, 7752 doi: 10.1038/s41586-019-1110-x
高速光通信は、個別に安定化した数百のレーザーでシングルモード光ファイバー内に情報を符号化する波長分割多重によって可能になる。帯域幅が広くなると、必要な総光パワーが大きくなるが、ファイバー内に送られるパワーはファイバー内の光学非線形性によって制限される上、光源によるエネルギー消費がかなりのコスト要因になり始める。光周波数コムは、1つのモノリシックデバイス内で多くの離散的等間隔レーザー線を生成することでこの問題を軽減するために提案された。しかし、現在の安定性とコヒーレンスでは、狭いパラメーター範囲でしか動作させることができない。今回我々は、高品質ウィスパリングギャラリーモード共振器内で電気光学効果を通して実現させた広帯域周波数コムが、低いマイクロ波パワーや光パワーで動作し得ることを示す。通常の三次のカー非線形性光周波数コムと異なり、今回のコムは、はるかに効率が高い二次非線形効果に依存している。今回の研究結果では、光ポンプ信号と混合した固定マイクロ波信号を用いて、キャリア間隔を正確に定めたコヒーレント周波数コムが生成されている。得られた共鳴増強によって、市販のデバイスよりも3桁低いマイクロ波パワーでの動作が可能になった。今回の結果が実用面で高速データ通信に適していることは、特に重要である。光通信ファイバーの非線形効果によって課せられる制限を避けるには、小型の完全集積型高品質コヒーレント周波数コム生成器の実現と非線形信号伝搬の実時間計算という2つの課題を解決する必要がある。我々の報告は、最初の課題の解決策となる。

