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心血管疾患:ニトロソ化ストレスが、駆出率の保たれた心不全を引き起こす
Nature 568, 7752 doi: 10.1038/s41586-019-1100-z
駆出率の保たれた心不全(HFpEF)は、罹患率および死亡率が共に高いよく見られる症候群で、今のところ根拠に基づく治療法がない。今回我々は、マウスに代謝ストレスと高血圧ストレスを同時にかけると[高脂肪食と、Nω-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル(L-NAME)を用いた構成型NOシンターゼ(cNOS)の阻害とを組み合わせて誘発]、ヒトのHFpEFに見られる全身や心血管系の数多くの特徴を再現できることを明らかにする。この齧歯類モデルやHFpEF患者の心筋では、UPR(unfolded protein response)のエフェクターの1つである、XBP1(X-box-binding protein 1)のスプライシング型(XBP1s)の発現が低下していた。機構的には、XBP1sの減少は、誘導型NOS(iNOS)の活性上昇とエンドヌクレアーゼIRE1α(inositol-requiring protein 1α)のS-ニトロシル化の結果として生じ、最終的にXBP1のスプライシングに異常を来す。薬理学的あるいは遺伝的にiNOSを抑制したり、心筋細胞限定的にXBP1sを過剰に発現させたりすると、それぞれHFpEFの表現型が緩和された。これらの結果から、iNOSが引き起こすIRE1α-XBP1経路の調節異常が、HFpEFにおける心筋細胞の機能障害をもたらす重要な機序であると考えられる。

